地元は、相模湾に面した神奈川県葉山町。鈴木爽斗(あきと)にとって、子どもの頃からずっと、海は遊び場でした。
そんな鈴木が大学時代にはまったのは、ウィンドサーフィン。道具一式で20万円。まじめにやればやるほど、セール(帆)は半年で破れ、必然的に、生活は部活動とアルバイトで埋めつくされたといいます。
そんな鈴木にとって、SNSは中学生の頃から身近なものでした。ただ、仕事にするとは考えたことすらありませんでした。苦戦していた就職活動中、ふとした気付きが、サムライトを就職先に選ぶきっかけとなります。
マーケティングの「マ」の字も知らなかった学生時代。インターンも経験しませんでした。ただ、鈴木は新卒1年目ながら、メディアマーケティング2局/第2Div.(2局)でクライアント企業のSNS運用を任され、初期戦略を提案するまでに成長しました。
どんな出会いがあって、サムライトを選び、学んでいったのでしょうか。鈴木に、就職活動と、就職してからの1年を振り返ってもらいました。
鈴木 爽斗(すずき・あきと)
1999年生まれ、神奈川県葉山町出身。大学時代は、体育会のボードセーリング部に所属し、部活漬けの日々を過ごした。コロナ禍で地元の魅力発信をSNSではじめ、SNSの面白さや可能性に気づき、サムライトへの入社を決意。現在は、企業のコンテンツマーケティングを支援するメディアマーケティング Div.(以下、MM Div.)で、SNSアカウントの企画・制作や分析を担当。
散々だった就職活動初期
──どんな学生時代でしたか?
地元は神奈川県葉山町で、子どもの頃から親の影響でヨットになじみがありました。高校までは陸上部で、大学では体育会でセーリング(ウィンドサーフィン)を始めました。道具は一式で20万円。本気でやればやるほど、道具は壊れます。セール、帆の部分は半年でやぶれてしまうので、アルバイトしてためても道具に消えてしまいます。アルバイト先はスポーツクラブで、働くとジムが無料で使えるメリットがあって、いろんな意味で部活のためのアルバイトでした。
──就職について考え始めたのはいつごろですか?
大学3年生の2〜3月の頃だと思います。法学部だったのですが、こういう仕事をしたいという明確なものがありませんでした。友だちの話を聞きながら、ざっくり、デジタル、IT系がいいかな、みたいな感じでした。IT系の企業を中心に、手当たり次第、面接を受けに行きました。
──結果はいかがでしたか?
20社ぐらい応募しましたが、全滅でした。自分にはITの知識が全然なかったので、イメージもわいていませんでした。全然ダメダメです。面接してくださる側もそう感じていたと思います。挑戦できる環境を、と思ってベンチャーを中心に応募したのですが、とある企業の社長と面接しているとき、私のIT業界の知見があまりにもなかったので、「君、たぶん向いていないと思うよ」とはっきり言われたこともありました。
きっかけは「葉山」を紹介するInstagram
──どんな気持ちになりましたか?
焦りました。周りには、インターンをやっている友だちがいてそのまま就職したり、体育会の学生で内定を得ていたり。ちょうどそんな時に、自分がやっていたInstagramのことを思い出しました。
──どんなInstagramですか?
就職活動の時期が新型コロナウイルスの感染拡大が始まった頃で、部活も全面的に禁止になっていた時期でした。就職活動しかやることがなくなったので、何げなく地元の葉山町の情報発信をやってみたいと思って、街の紹介をするInstagramのアカウントを個人的に作りました。
もともと中学生の頃からTwitterやInstagramを使っていたこともありますが、新型コロナになって、地元のつながりや、街で知り合いとすれ違うと、お店が苦しいという話が出てきたんです。それでメディアを作ったら支援できるじゃないかと思ったんです。東京都内にある高校に通っていましたが、いいところなのに、同級生たちに意外と葉山町のことが知られていなかったことも思い出しました。
──Instagramとサムライト。少し線がつながってきました。
当初、SNSで仕事ができるというイメージがなかったんです。でも、どうやったらこのInstagramを多くの人に見てもらえるのだろう。そう考えているときに、SNSマーケティングということばを耳にして、SNSが仕事になるんだと思い始めました。それが、SNSを使ったマーケティングに興味を持ち始めたきっかけでした。
──そこから就職活動が変わったのですね。
就職先をIT業界から切り替え、マーケティングを軸に変えました。大学4年生の4月半ばぐらいですね。SNSマーケティング、オウンドメディアを中心にいろいろなことを調べ、投稿の制作だけではなく、企画の提案までやっていることも知りました。企業がSNSを使うようになっているのは聞いていましたが、いろんな企業を見ていく中で、SNSに関連する働き方がたくさんあるんだと気付きました。できそうなこと、やりたそうなことが見えてきたと思いました。
サムライトが就職先候補に浮上
──そこで、サムライトが就職先の候補に入ったのですね。
切り替えることができてから、サムライトを含め、5~10社ぐらいを候補に絞りました。自分が興味を持てそうなところや、会社の雰囲気も考えました。自分がSNSの情報発信をやっていることをとっかかりに、ちゃんと何を話すかを考えました。やりたいことが定まったので、伝えたいこともまとまり、面接はすごい楽になりました。当時、サムライトの名前を知らなかったのですが、SNSだけでなく、幅広い事業支援をしているところから興味を持ちました。
──なぜ、サムライトを最終的に選んだのですか。
サムライトのサイトやそれこそ、このSOME JOURNALを読んだことが大きく影響しています。
加藤真守さん(メディアマーケティング2局長・奄美大島支社長)が退社して奄美に移住しようとしたときに、池戸聡さんが「それならば支社を作ってしまおう」と決断した話(https://journal.somewrite.com/shacho1/)や、自分と同じように新卒で入社した先輩方の話(https://journal.somewrite.com/tarumi_kamada-interview/)を読み、社員を尊重してくれそうな社の雰囲気を感じました。
実際にオンラインで面接しても、池戸さんにはいままで面接してきた社長と違いそうな魅力を感じました。新卒の早い段階でいろいろチャレンジできるというところも決め手でした。内定をいくつかいただきましたが、面接の段階で「ここで働くんだろうな」と思えました。
営業のはずがコンテンツ制作担当に
──入社前は営業志望だったそうですね。
体育会で、人と話す機会も多かったので、まずは営業からという気持ちでした。入社前のランチ会で、営業だけでなく、コンテンツを制作したり、数値の分析をしたりする仕事もあると聞いていましたが、実際に配属先が制作と聞いて、びっくりしました。でも、制作側の動きを理解しておけば、今後、仮に営業の仕事をするとなったときに、動きがわかっていいだろうと思うようになりました。
──いまはどんな仕事を担当していますか。
クライアント企業のInstagramやTwitterのアカウントの企画、運用、分析をしています。葉山のアカウントではアルゴリズムの仕組みとかをまったく考えずに運用していましたが、いまはどういう仕組みがあるかを理解し、仮説をたてて、どういう見せ方をすれば、「いいね」「保存」が付きやすいかを考えます。検証して、成果が出たときはやはりうれしいですね。
フォロワー3000人獲得のキャンペーン
──最初に取り組んだ仕事を覚えていますか?
メーカーのTwitterの運用です。最初は、UGC(User Generated Content 一般ユーザーによって作られたコンテンツ)の調査でした。学生時代はSNSにアップされたコンテンツを見ても、「きれいだな」「格好いいなあ」とかの感想を持って、それだけでスルー。ただ、仕事をするようになって、このコンテンツにはどんな意図があるんだろうとか、どういう感情を持っているのか、何に人が魅力を感じるのかなどを考えるようになりました。また、SNSの種類によって、反応の違いを見ました。
そうすることで、SNSへの見方も変わりました。なぜ受けているのか、バズっているのか、仕組みや理由が分かるようになりました。現在はこのアカウントのメイン担当を任されていて、クライアントに説明をする際、データはもちろんですが、ユーザーの心理的な部分や意図を分析することによって、説明に厚みを加えられるようになりました。
──6月には早くもInstagramの運用の中心メンバーになったそうですね。
通販サイトのInstagramの運用を担当しました。それまでは、調査やちょっとした制作だけでしたが、このアカウント運用では、企画、分析、報告を一貫してやらせてもらったので、仕事の幅がぐっと広がったと感じました。ゼロから立ち上げたアカウントで、昨年のうちに1000人のフォロワー獲得を目標としていました。ところが、10~11月に行ったキャンペーンがうまくいき、3000人のフォロワー獲得に成功しました。
ターゲットを40~50歳の女性に定め、主婦層に刺さるにはどうしたらいいかを徹底的に考えました。その世代のSNSを使っている人のニーズや悩みを調べるのはもちろん、母や自分の身近なこの世代の人に「この商品、買いたくなる?」なんて聞くこともしました。主婦のインフルエンサーの方と組んで、ターゲットに刺さりやすい投稿、拡散しやすい投稿を続けました。最初の仕事はサポート役でしたが、このキャンペーンは自分がやったという実感もあり、フォロワーが増えたときは、本当の意味での喜びを感じました。
──インターン未経験でもすぐに仕事になじめたのでしょうか?
入社前は、ほとんどの時間を部活に費やしていました。サムライトの採用担当者からも、「部活を頑張れ」と言ってもらえて、全国大会を目指していたので、力を入れていました。なので、実際に入社すると、最初の頃は知識がなくて、壁だらけだなと思いました。クライアントと話をする場でも、的確なアウトプットができませんでした。
代わりに、その遅れを取り返そうと、熱量高く持ってやってきたと思います。すべて初挑戦と、声をかけていただいた案件は全て、即答で「やります」と挑戦しました。苦しむ場面はありましたが、そこは心がけました。
仕事をしていて、クライアントごとに違う課題を抱えています。SNSの機能ひとつとっても使い方や目的が変わってきます。なぜこの施策が必要なのかをロジカルに説明できず、苦しんだことは何度もありました。ただ、そういうときはシンプルに、新卒の特権を使って、素直に上長や先輩に聞くのを徹底しました。わからないときに1人で考えても答えが出ないので、先輩の動きを見て真似もしました。
インターンはできる環境があれば、やった方がよいのかなとも思っています。早い段階で会社の仕事に触れていた方が、成長できるスピードは速かったのではないかと思うからです。それでも、インターンをやっていなかったとしても、大きな問題はないと思います。
新卒で初期戦略組み立て
──この1年で仕事の面で成功と思えたことはなんですか?
SNS運用をする中で、企画をたてて制作し、数値の分析をするまで、全体の流れを経験することができました。そうした積み重ねを経て、新卒の同期の社員とともに、SNSの初期戦略を組み立てて提案できたことが一つの成果だと思います。
初期戦略とは、どのようにターゲットを定め、SNSを運用していくかをまとめ、提案することですが、そこを1年目から任せてもらう機会に恵まれました。B to B企業への提案で、市場や業界を分析し、クライアントの強みが何かを見極め、どのように投稿していくか戦略を練ります。通常は1カ月程度かけて作り上げるものでしたが、クライアントの要望から約2週間で仕上げる必要がありました。時間の関係でうまく言葉にできない部分もあり、思い通りの内容とまではいきませんでしたが、クライアントも納得していただき、採用されました。0から1を作ったことは、1年前の自分のレベルを考えると、ある程度成長できたと感じています。
──逆に、この1年での失敗はありましたか?
クライアントのLINE広告の運用を任されていたのですが、広告を予定通りに配信できませんでした。3日間限定の短期のものだったのですが、クライアントに対してはもちろんですが、案件を担当していたチーム全体に対しても申し訳ない気持ちでいっぱいです。スケジュール管理の甘さを痛感しました。
チャレンジできる環境は新卒にもある
──最後に、就活生の方へメッセージをお願いします。
新卒で入って2カ月ぐらいで、お客様とコミュニケーションを取る場に出席し、発表する場がありました。早い段階から現場の最前線に立ち、新卒でも大きな仕事ができているという感触があります。
会社に入ってすぐにチャレンジしたい学生にとって、サムライトはとてもよい環境だと思います。私にとって、挑戦できる環境、社長をはじめとした社員の人柄は、入社前にサイトの記事を読んだり、面接したりしたときと、イメージは変わっていません。
新卒のみなさんにとって、すごく魅力的な会社だと思います。サムライトはみなさんをお待ちしています。