元withnews編集長の奥山さんがサムライトの取締役CCOに就任して、早一年。
>【プレスリリース】サムライト、withnews前編集長の奥山 晶二郎が取締役CCOに就任
前回のSOME JOURNALでは奥山さんに新聞社とのギャップやサムライトの理念・組織文化について語っていただきました。
>〝きっちりかっちり〟から〝わちゃわちゃ〟へ【CCO奥山がサムライトでの1年間を振り返る・前編】
前回反響があった記事の続きとして、今回は朝日社グループとしての強みやグループ会社としてのサムライトの役割について、たっぷりお話しをしていただきました。ぜひ、ご覧ください!
▼プロフィール
奥山晶二郎(おくやましょうじろう):1977年生まれ。大学卒業後、朝日新聞入社。佐賀、山口、福岡と勤務し、2007年、デジタル部門へ異動。「asahi.com」の編集に携わり、「朝日新聞デジタル」立ち上げ、動画、データジャーナリズム、SNS連動企画などを担当。2014年から「withnews」の編集長を8年間務めたのち、2022年6月からサムライトに参画。
尖っているだけがデジタルじゃない
創業140年余りの新聞社から、グループ会社のベンチャーに移って1年が経ちました。そこで感じたのは「尖っているだけがデジタルじゃない」ということです。デジタルの世界から生まれる様々なサービスが、世の中を変え、たくさんの人に影響を与える時代。逆に企業やユーザーが置いてきぼりになるような状況も生まれています。
最先端を追いながら広い視野もあわせもつ。それができるのは、老舗企業とベンチャーのハイブリッドであるサムライトならではの強みではないかと思っています。
全然、新聞社らしくない
最初にサムライトに来て驚いたのは、全然、新聞社らしくないところです。
社長はチャリ通勤ですし、オフィスにはなぜかテントがあるし、そこには人をダメにするクッションいっぱいあるし、夏は男子短パンだし……。
そんな〝らしくなさ〟はビジネスの面でも変わりません。
コンテンツマーケティングという領域で、自分たちのポジションを確立していて、オウンドメディアの立ち上げや、SNSアカウントの運用、動画制作、自社メディア、ECなど、それぞれメンバーの得意な分野で成果を出しながら、挑戦を続けていました。
そんな新聞社の枠にとらわれないという特色が強く現れるのが新規事業の場面です。
たとえばメディア運営。無料モデルの場合、メディアの中に広告を掲載することで売り上げを立てるのが一般的です。しかし、広告だけに頼るとPV(ページビュー)という閲覧されたページのアクセス数狙いに記事の内容が引っ張られてしまうという難しさがありました。
それならビジネスモデル自体を変えてしまおう。ということで今年7月に生まれたのがエッセイ投稿メディア「かがみよかがみ」のリサーチサービスです。
これはエッセイ投稿者に社会課題に関する様々な質問を投げかけて、そこから生まれたインサイトを企業などに提供するというもの。メディアにひもづくコミュニティに注目し、ページのアクセス数だけではない価値を形にしたものでした。
協業プロジェクトで同期に〝再会〟
一方で、新聞社グループの強みを生かしていないかと言えば、そんなことは全然ありません。
SEO一つとってもアルゴリズムは当然のようにがらりと変わっており、昔のようなテクニカルな施策だけでは通用しない時代になっています。
では何が求められているかというと、読者の満足度です。それは滞在時間や再訪率といった数字によっても可視化されますが、そのために必要なのは、情報の質になります。
ここで新聞社グループとしての威力が発揮できます。
もともと、情報の質には人一倍こだわりがあるのが新聞社です。一次情報の精査、文章の構成、事実関係の確認などなど。どこよりも負けない自信があります。
実はサムライトには、朝日新聞で記者をしていたメンバーが常時、在籍しています。サムライトで最新のコンテンツマーケティングを吸収しつつ、これまでのキャリアをいかした仕事をしています。
さらに、会社の垣根をこえた連携もあります。記事制作において、専門的な編集が求められる案件については、協業という形でタッグを組んでいて、それぞれの強みをいかしているのです。
実は、私の同期が朝日新聞側のメンバーとして参加していて、十数年ぶりに〝再会〟するなんてことも起きています。そういうつながりは色んな場面で生まれていて、同業他社にはない強みだと日々実感しています。
「DXにも色々ある」
ここで、もしかしたら疑問に感じる人もいるかもしれません。とはいえ最先端のコンテンツマーケティングで勝負するなら、新聞社のような伝統的な企業の要素はいらないんじゃないかと。
たしかにそれも一理あります。一方で、実際にこっち(コンテンツマーケティング)の世界に来て感じたのは「DXにも色々ある」ということです。
変な話ですが、DXの取り組みで新聞のようなメディアに取り上げられるのは、一部の最先端の企業です。逆に、それだけ珍しいから記事になると言えます。
一方で、DXが一部の企業だけに必要かと言えば、そんなことはありません。どんどんアップデートしていかないといけない時代というのも、また事実です。
最先端の企業のように自分たちだけでは形にできないけれど、DXをしたい、しなければいけない。そういう企業は実はたくさんあって、言ってみれば日本自体がそういうフェーズになっているのだと感じています。
そんな時、新聞社のグループ会社でありながら最先端のコンテンツマーケティングを手がけるサムライトの出番がやってきます。
広い視野、長いスパンで社会をとらえてきて、いわゆる老舗企業ともビジネス面で付き合いのある新聞社の知見が、一周まわって生きてくるのです。
必殺!ハイブリッド紙面広告
新聞広告一つとっても、デジタルの施策と組み合わせることでガラッと変えることができます。
たとえば一風堂さんの「カルガモ割キャンペーン」は、ラーメン店に来にくいという子ども連れのお客さんも気兼ねなく楽しんでもらう施策として展開されました。
新しかったのが、子ども連れのお客さん向けのキャンペーンにも関わらず、対象はむしろ当事者以外の人に向けられていたこと。キャンペーンに賛同する全てのお客さんに割引きサービスを提供するという内容でした。
キャンペーンは11月19日の「いい育児の日」に合わせて開始。スタートに合わせて出したのが朝日新聞の紙面広告でした。
SNSのタイムラインのように情報が流れていってしまうのはデジタルの難点ですが、ストック型のメディアである新聞紙面なら記憶に残る形でメッセージを届けることができます。
しかし、紙面には物理的なスペースがあります。特に社会課題に向き合うような施策は、その意図をきちんと理解してもらいたい。なので、紙面広告では伝えきれないキャンペーンに込めた思いを、広告記事という形で朝日新聞のスマホ世代向けウェブメディアwithnews(私の古巣でもあります)で配信。その制作をサムライトが担いました。
さらに、キャンペーンに賛同する他の企業さんと一緒にツイッターのスペースでトークイベントも開催しました。
>子ども連れを温かく見守る人たちの“賛同”を可視化する、ブランドジャーナリズムの手法で取り組む割引キャンペーン
結果的に紙面広告というダイナミックな施策に、最先端のアプローチを組み合わせることができました。このような歴史と伝統の〝いいとこ取り〟は、サムライトにしかできないユニークな仕事だと思っています。
ぜひ、サムライトにしかできないユニークな仕事を一緒にしませんか?ご応募、お待ちしています。面接でお会いできるのを楽しみにしています。