インフォメーションアーキテクチャDiv.のデザイナー・城戸貴之は2020年5月、サムライトに入社しました。
15年以上に渡り、デザイナーとしての経験を積み、スキルを磨いてきた彼は、なぜサムライトを選んだのか。そこにはクリエイティブ業務に従事する者ならではの葛藤がありました。
城戸貴之(きど・たかゆき)
1979年生まれ。東京都出身。
銀座バンタンキャリアスクール卒業後、2006年にエディトリアルデザイン会社に就職。2008年、広告制作プロダクション入社。グラフィックデザイナーとしてマス広告、 SPツール、 ロゴ、カタログ、 パッケージ、 Web等、幅広くデザインを担当する。 その後、2社で採用ブランディングを中心としたデザイン制作、企画、ディレクション業務や、地方創生の関連企業を経て、2020年5月にサムライトへジョイン。二児のパパ。
フリーター、デザインと出会う
──まず、城戸さんのキャリアについてお聞きします。デザイナーを志したきっかけを教えてください。
高校を卒業後、わりといろんな仕事を転々としていたんですが、20代前半の頃、新宿の小さなDVDショップで働いていたんです。ある日、販促物や商品のPOPの制作をすることになって。小さな店舗なので「全て自作で」という感じだったので、そこで初めてPhotoshopやIllustratorなどのデザインツールを触りながら、一つ一つ覚えていきました。
それがなんだか面白くて。「これをちゃんと仕事にしていくには、どうしたらいいんだろう」って、いろいろ調べていったんです。そこで初めてデザイナーという職業を意識しました。
その後、DVDショップの仕事は辞めて、デザインを学べる銀座バンタンキャリアスクールに通いました。デザイナーへの王道的なコースは、美大を卒業して制作会社や代理店に入る、みたいなものなんですけど、僕はすでに20代半ばで。焦りと戦いながら1年間で卒業できる社会人コースで学んで、その後、エディトリアルデザインの会社に就職しました。
──その後、サムライト入社までに4社ほど経験されているんですね。
はい。広告会社で広告や店頭販促物など、いわゆる紙媒体でのグラフィックデザインも経験しましたし、その後の別の会社では採用ブランディングや地方創生といった領域の中で、Webのデザインも経験しましたね。
サムライトへ。デザイナーの立場から、メディアの成長を目指し、成果を意識する
──デザイナーとして経験を積んでいく中で、サムライトへの入社を考えたのはなぜですか?
紙媒体にしろWebにしろ、いろいろ作れるようにはなったものの「日々、ものを作って納品して」というサイクルが続くことに、葛藤のようなものを感じていたんです。そんなときに、サムライトからWantedlyにメッセージが届きました。
けっこう軽い気持ちで話を聞きにいって、サムライトの事業の軸であるコンテンツマーケティングについて教えてもらいました。広告会社にいた時にマーケティング視点のデザインをしていたこともあり、「過去の経験を組み合わせて活かせそうだな」と感じるとともに「自分にとって新たな“武器”が得られそうだな」と思いました。
面談を何度か重ね、一緒に働くメンバーとも話をさせてもらい、雰囲気も合いそうだったので、入社することを決めました。
──入社前の「ものを作って納品しているだけ」という葛藤は解消されましたか?
はい。「作ってそこで終わり」という感覚がだいぶなくなりましたね。もちろんデザイナーとして「クライアントの発注を受けて、それに沿ったデザインを作成する」という大まかな流れは同じなんですが、サムライトでは「納品」ではなく「成果」への意識が強くなりました。
クライアントにはビジネスを行う「目的」や「想い」があり、クライアントと一番の接点になるサムライトのセールスやディレクターはそれを理解し、編集者や僕たちデザイナーがコンテンツで表現していく。当たり前のことなんですが、このサイクルが自然と生まれています。
例えばメディアの案件は基本的に中長期の取り組みとなるため、自分たちのアウトプットが良かったのか悪かったのかを振り返り、改善策や次のアイデアにつなげていく必要があります。そのため「いい記事が書けた!」「かっこいいデザインが作れた!」という個人の感覚よりも、そもそもの目的や成果に貢献できているかがより大切なことになります。
──デザインが及ぼす「成果」って、なかなか可視化しにくいようにも感じます。
その通りです(笑)。ただ、紙媒体よりは数字で可視化される部分はあると思います。紙の広告デザインで何人の心を動かせたか、意識に変化をもたらせたかは本当に見えづらいので。もちろんWebも、見えている数字が全てではないですし、鵜呑みにするべきでもありません。
確固たる正解がないからこそ、社内でも議論する必要があるし、クライアントに「こういう方向性でいきましょう」と提案する場面も生まれてくる。それこそが、クリエイティブな仕事の面白さでもありますからね。
会社で成長したい人間、会社に還元したい人間
──クリエイティブの仕事って、良いものにしようと思えばいくらでも働ける分野だと感じるのですが、働き方のバランスはどのように取っていますか?
自分に合ったワークライフバランスを取れていると思いますよ。「徹夜で作り続けないと終わらない」みたいな、若い頃のような働き方はもうできないですしね(笑)。もちろん瞬間的に、グッと力を入れなきゃいけないタイミングもありますけど。
先ほどのサムライトを選んだ話にもつながるんですけど、転職のタイミングがちょうどコロナ禍だったこともあり、働き方や自分自身のライフステージとも向き合いました。
実際入社して、僕に限らず「柔軟に働き方を選べる会社だな」と実感しています。会社が考える「個人の働き方」に関しては、以前に(社長の)池戸さんにも聞いてみたことがあるんです。制約は多々あるものの、基本的には働きたい人は思いっきり働けばいいし、自分の生活スタイルを崩さずパフォーマンスを出したい人も尊重する。その上で、フェアに成果を見ていくという理念でした。
──働き方に対するスタンスが違っても、他者に強要することはない、ということですね。
僕も20代の頃は「デザインを極めてやる。寝てられねぇ」みたいな時期がありました(笑)。個人的にはそういう「人一倍やる」時間って人生に必要だとも思うんですよね。それが自分の中から湧き出る感情ではなく、業務に追われて疲弊しているだけだったら問題ですけど。
僕みたいにどちらかと言えば過去の経験を活かして貢献していきたい人間と、「この会社で一旗上げてやる」という野心を抱く人間が、共存しながらさらに良い組織になっていけばいいと思っています。
ものづくりにマーケティングの視点を
コンテンツマーケティングの世界は、編集だろうとデザインだろうと「書いて終わり、作って終わり」ではありません。
何らかの目的を持ったお客様がいて、有益な情報を求めてコンテンツに触れる読者やユーザーがいます。求められるのは、マーケティング視点を兼ね備えたものづくりです。
さまざまな反応や数字を検証し、次のアクションを考えていく。楽しさと苦しさが同居したような、刺激に満ちた仕事。その中で得られる経験は、ひとりひとりのキャリアを彩る、貴重なものです。サムライトはあなたの挑戦を、心からお待ちしています。